こんにちは、natsukazeです。
皆さんは「脱出ゲーム」ってご存知ですか。
テレビなんかでも目や耳にする機会も多いですが、今回お話するのは脱出ゲームアプリのことです。
ストアを見渡すと目にしないことはないですよね。
ランキングにも入っていたりするので人気のジャンルであると言える気がします。
それは利用者にとってでもですし、アプリ開発をする側にとっても脱出ゲームというのは人気のジャンルです。
しかし、私が思うに脱出ゲームばかりを開発しているとゆくゆくは危ないのではないかと思っています。
今回はそんなことをまとめてみました。
脱出ゲームは個人開発者に人気ジャンル
初心者でも脱出ゲームは作りやすいと言われていますが、理由はいくつかあります。
複雑なプログラム処理を使用しない
簡単といわけではないのですが、例えばサーバと連携する必要はありませんし、ゲーム中でキャラクターを動かしたりする必要もありません。
他のゲームに比べると必要とされる技術はそこまで難しいものではありませんので、初心者でも取り掛かりやすいものになっています。
素材が用意しやすい
ゲームを作る上で困るのが素材の準備です。
UIに使用するボタンや、背景など、ゲーム中で使用するものは全て用意する必要があります。
脱出ゲームの場合、そこまでUIの素材は必要ありません。
加えてゲーム中の背景等も、3DCGであれば、良質のフリー素材が多数ありますし、もし実写なんかであれば自分で用意できます。
一般的なゲームであればゲーム中のアイテムの画像や多数のUIが必要になってくるので、この点はありがたいですね。
比較的DL数が伸びやすい
人気のジャンルだけあって、脱出ゲームはDL数が伸びやすいです。
いきなり作ったものであっても、そんなに内容が崩れていなければ数万DLは達成できると思います。
作ったことがない方はピンとこないかもしれませんが、個人開発で数万DLって結構すごいことですよ。
ここで勘違いしてもらいたくないのは、「脱出ゲーム=簡単」ではないということです。
もちろん初めての方にとっては難しい内容ですし、最近増えだしたストーリーありきの脱出ゲームといったものであれば、他のジャンルと比べても結構大変です。
脱出ゲームのここが危ない
人気のジャンルの脱出ゲームですが、こればかりを作り続けると危ないと思う点を解説していきます。
定期的なリリースが必要
脱出ゲームの弱点として収益性の低さがあります。
これは脱出ゲームに限った話ではないのですが、謎解き系って一度クリアしたらもうやらないですよね。
RPGとかであればやりこみ要素を設けることでユーザをつなぎとめることができますが、脱出ゲームの場合はそれが難しいです。
そのため、DL数が多くても、他のジャンルに比べると収益性は低くなってしまいます。
DL単価でいうと、例えば放置ゲームとかだと10円以上は見込めて、すごいゲームだと100円とかになったりするのですが、脱出ゲームの場合は大体3~4円ぐらいだと言われています。
仮に5万DLでも、15〜20万ぐらいの計算です。
独身であれば月20万で生活できなくはないですが、税金とか考えるとちょっと厳しいですね。
家族持ちだと多分無理だと思います。
そうなると月2本ぐらいはリリースし続けないといけない計算となります。
ところで、1本にかかる開発時間てどのくらいだと思いますか。
謎を考え、実装、テストとなると、最低でも2週間ぐらいになると思います。
つまり、2週間毎のリリースを守れば、月2本は達成できます。
じゃあ問題ないじゃんと思いますが、2週間というのはかなり詰め込んだスケジュールです。
ほぼ脱出ゲームのことしかできません。
脱出ゲームで使用する技術というものは限られてくるので、既存の技術を流用し続けながらになると、新しいスキルのインプットができなくなります。
仮に新しいことをやり始めると、2週間では間に合いません。
つまり脱出ゲームで収益を上げ続けるには、常に脱出ゲームを作り続けなければならず、他のことに時間を避けないという状況になります。
そうなると脱出ゲームしか作れない人になってしまい、収益が出続ければ良いですが、それがなくなった時非常に困る状況になります。
4.3リジェクトの恐怖
iOSに限った話ですが、昨年頃から開発者の間で話題になっている「4.3リジェクト」。
こちらにまとめられています。
概要は、アプリの審査の際に、似たアプリであれば一つにまとめるような指摘を受けて、アプリがリリースできないというものです。
対応策として複数のゲームを収録したようなコンテナアプリとするような形式にすることですが、それにも何点かデメリットはあります。
個人で対応する場合は結構時間もかかりますからね。
じゃあAndroid版のみと考えがちですが、そうなった場合に、単純に考えて収益は半分になりますので、ダメージは大きいです。
脱出ゲームを出し続けた場合、指摘を受ける可能性は高いので、早めに対策をしておくのが良いと思います。
脱出ゲームを作り続けるためには
今後脱出ゲームを作りながら収益を上げ続けるためにはどうしたら良いのでしょうか。
自分なりの考えをまとめてみました。
脱出ゲームの中で差別化をする
つまるところ、1本あたりの収益が増えれば、多くの問題は解決します。
そうするためにはどうするか。
周回要素をつけても脱出ゲームの肝の謎が同じではあまり意味はありません。
DL数を伸ばす方向で考えた方が良いでしょう。
その場合、あなたならではの脱出ゲームというジャンルを作っていくべきです。
「ママにゲーム隠された」で有名なhapさんですが、あの方の作るゲームって独創的ですよね。
ぱっと見でhapさんの作品とわかります。
あなた自身の作品もそういった個性をつけて、作品というよりあなたのファンを増やしていくようにしましょう。
そうすれば、アプリリリースのたびにファンはDLしてくれて、かつ新たなファンは過去のあなたの作品もプレイしてくれます。
「あの人のアプリだ」言われるようにアプリ作りをやっていきましょう。
他のジャンルで攻める
思い切って、脱出ゲームという枠から出て他のジャンルで勝負するのもアリだと思います。
他のジャンルで勝負する場合は、下記の記事でも書いていますが、放置ゲームやクリッカーゲームはスマホと相性がいいのでそのあたりを攻めていくのが王道ですかね。
脱出ゲームに限った話ではありませんが、個人開発者は特に時代に合わせて変化して行かなければ生き残れません。
そのため、色々なスキルのインプットが必要です。
今後脱出ゲームのように個人でも大きく収益が伸ばせるジャンルが登場した場合に、いち早く取りかかれるように、準備を始めておくというのが重要です。
まとめ
脱出ゲームに関して自分なりの考えを書いてみました。
これから脱出ゲームを作り始める人もいると思いますが、この意見を参考に自分の進む方向を考えてみてください。